2004年10月30日

【書籍:情報収集と整理】情報をスクラップし、「情報」から「知識」へ

知的生産の技術
梅棹 忠夫

岩波書店
1969-07
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「知的生産の技術」。この書籍は、1969年に初版が発売されました。もう30年以上も前にこの世に発売されたわけですが、この書籍では「情報」をどのように収集、整理し、収集された情報を組み合わせることによって有益な「知識」に変えていくという方法が紹介された本です。

一冊の手帳」の著者であるGMO 熊谷社長は、その本のなかで「一件につき、1リフィルにまとめる」というメモ術を公開されており、読んだ時、「やはり、メモを取ることを極めると同じ結論に至るのか・・・」と感心したのですが、なんと 熊谷社長のBlogのなかで熊谷社長も昔、「知的生産の技術」を参考にしたとあるではありませんか!

私は、情報整理に関しては後にこのBlogでも紹介しようと思っていますが、テキストファイルの簡易データベースアプリケーションを使ってPDA(デスクトップへも同期します)のなかで整理と組み合わせをしています。この手法の概念はまさに30年前に書かれたこの「知的生産の技術」を応用したものです。

■手帳とは精神の記録ではなく、知的蓄積の手段

著者である梅棹氏は、問題提起として学校では知識は教えてくれるが、研究や勉強の仕方を教えてくれないと言います。それを元に研究方法に対し、ノートや手帳、メモなどの仕方を公開するにいたります。ノートや手帳は、「記録」が目的ではなく、後に蓄積された情報をもとに再編集することで、それが「新たな発見」となり、「新たな知識」となる。つまり、「知的蓄積の手段」なのだそうです。これを意図している文章はこの書籍の30ページに書かれていますが、食い入るように読み込みました。

書籍のなかでは、著者の体験からノートへ記述していたのを、記した情報を後に整理、組み合わせが可能になるよう、著者が発案したカード形式のノート「京大型カードシステム」への記述方法へと移行していった過程が書かれています。

蓄積された情報は、活用しなければ意味がない。全くそのとおりです。私はメモ帳など使っては結局その後一度も開かないなんてことを繰り返しました。これは自分のだらしなさが原因かと考えたことがありますが、この文面を見ることでハッと気づかされるものがありました。

メモは、後の活用を考えた形式で保存しておかなければならず、ノートは不便なわけす。メモを書くだけの行為は、しばし情報を貯蔵することが目的となってしまっているのですね。

■メモ術だけでなく、整理や読書など知的生産に関する鋭い洞察

この書籍は、何もメモ術のHow toではなく、整理法や読書、日記などにも鋭い洞察をもって知識生産に活かす方法や考察が書かれており、大変勉強になるとともに、30年前にこんな本が出ていたなんて頭が下がります。

当然、30年前ですので一部、今の現状と会わない部分がありますが、内容はとても普遍的なもので、私のPDA活用法の多くはこの書籍を元に考え出しましたし、この書籍のおかげで私のPDAが何倍も価値の高いものになったと思います。

PDAを所有する目的も、よく考えてみると所有が目的となってしまう場合があります。もちろん、ハードそのものが好きな方もいますので、それを否定しているのでは絶対にありません。私もいろいろなハードウェアが大好きですし。

ただ、よくパームやPocket PCを買ったが、使えないといってそのままお蔵入りなんて方結構いると思うのですが、紙であろうが、デジタルであろうがその使い方が問題になるのは言うまでもありません。この書籍を読むことでデジタルであろうが、紙ベースの手帳だろうが、使い方に大きなヒントを与えてくれますし、またお蔵入りしたPDAをもう一回火を入れてみようかなんて気にさせてくれる書籍です。

是非、ご一読を!

■戯言

この「知的生産の技術」の著者である梅棹先生は、著作の中で書籍にアイデアをくれた友人として何名かの名前を挙げているのですが、そのなかでKJ法で有名な川喜多 二郎先生の名前もありましたね。まさに混沌なカード(情報)をまとめ秩序、つまり新たな発見をするところは、KJ法です。

川喜多氏の書籍「続・発想法」は有名ですね。

発想法 (続)
発想法 (続)
発想法―創造性開発のために
発想法―創造性開発のために

大先輩な方々というのは、つながっているんですねぇ。「体系化」って米国が優れていますけど、日本人だってこんなすごい方がいらっしゃることを誇りに思わなきゃいけないですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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【関連書籍情報】
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posted by Dragon at 23:31| Comment(0) | TrackBack(2) | 情報収集と整理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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これが情報収集の基本だ!!
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