2004年12月20日

【戯言】知的生産者に宿るThinkPadの精神。

今日は、ThinkPadの1件で思うところがあり、執筆してみました。メモ術実践編の最後の会は次回となります。(更新が遅れており申し訳ありません。)

IBMがレノボにPC事業を売却するニュースが流れて数日立ちます。
私も同社のノートPC、ThinkPadからIBMの冠がなくなることに悲しさを覚えている一人です。

■戦略は正しい

アナリストからは「正しい戦略」ということで米国ではIBMに対する評価は高いそうですね。確かに市場の成長に陰りが見え、その頂点も目の前にきています。更に約525億円も赤字を垂れ流しているということであれば、手放すなら早いほうが良いでしょう。高く売れますからね。そこへ、勢いを増し資金力を持つレノボが1800億円出して買ってくれるというのですから、売るのは今かもしれません。ビジネススクールの教科書どおりです。

また、実は東芝にも声をかけていたようで東芝は200〜300億を提示したそうです。完全に東芝は当て馬にされたようです。(「日経ビジネス2004.12.20-27号」)しかし、正直、得したのはIBMのトップマネジメント達だけのような気がします。

買わされたレノボは大丈夫でしょうか?拠点は確保しつつグローバルなオペレーションは問題ないはずとは言っても、単純明快な「低価格」を差別化要因として展開してきたビジネスとは違い、ユーザの感情という曖昧な要素を持つ伝統的なブランド価値を理解しユーザの期待に応えなければいけない経営は経験したことがないでしょうし、全く正反対のように思えます。また、それだけでなくIBM ThinkPadの「信頼」は、膨大な基礎研究など、R&Dに裏打ちされたものだからです。これも正反対のオペレーションが求めらるでしょう。

唯一の救いかなと思うのは、レノボ100%出資で米国に本社を置くことでしょうか。ThinkPadに関しては、競合しないと思いますので、レノボ本体とは違う戦略(ロジック)、かつ違うマーケットで採算性を突き詰めていってほしいと思います。その結果としてユーザに更なる信頼性と価値をもたらしてくれれば、今にもましてブランドが強固になるのでしょう。

■「Thinkpad」の由来

さて、今日はそんな話が中心ではありません。こうした評論はメディアにまかせ、今日は余命5年ThinkPad(5年の期限つきで「ThinkPad」ブランドは残る。)の名称に込められた工ピソードを紹介しようと思っています。この話は私はかなり知られていると思っていましたが今回の一件を機に会社でこの話をしたら皆、結講その由来を知らない人もいるようなのでここで紹介しようと思った次第です。

Think。

これは1914年以来、IBM社内の社是だそうです。
そして、IBM社内で使われたMemo Padが下記の写真です。

source:http://www.ascii.co.jp/factory/think/design/images/p2_01.jpg黒いMemo Padの表紙には、箔押しで「THINK」の文字が印字されています。
「考えよ。」これほどシンプルで普遍的、また深い言葉がありますでしょうか。まさにTHNK PADなわけですね。そして90年代、同社が発表したノートPCのブランドに採用されたのだそうです。

私はこの言葉が80年以上も使われ、今ではMemo Padではなく形態は違えど、インテリジェンスな形に生まれ変わりながら「THINK」が生き続けていることにとても感動しました。

■「ThinkPad」は、モノでなく精神。

考えてメモする。これはいつになっても普遍的な知的生産活動です。人間は、唯一「考える」ことで改善や革新を起こせます。メモする媒体の形態は今後も異なるかもしれませんが、人間は「考え」続け、その結果を何かに記録し続けるのです。

ThinkPadは物質的なものであり余命5年の期限が与えられたモノでありますが、その精神は知的生産者に生きつづけるのだと思います。また、同時にレノボがThinkPadを愛する人達の想像を超えるすばらしいノートPCを生み出してくれることにも期待しています。

私は上の写真を忘れません。

最後までお読みいただきありがとうございました。
 こちらをクリックしていただけるとうれしいです!
 こちらもお願いいたします!

【参考書籍】

米コンピュータ企業の興亡―パソコン起業家達のサバイバル戦略
嘉村 健一

by G-Tools
All about ThinkPad 1991‐1998―History of the IBM ThinkPad notebook computers
『All about ThinkPad』編纂委員会

by G-Tools
中国の市場経済化と日中経済競争
内藤 昭

by G-Tools
日韓台の対ASEAN企業進出と金融―パソコン用ディスプレイを中心とする競争と協調
斉藤 寿彦 劉 進慶

by G-Tools
巨象も踊る
ルイス・V・ガースナー 山岡 洋一 高遠 裕子

by G-Tools
ぼくたちがIBMとHPで学んだこと
後藤 三郎 中司 恭

by G-Tools
外資と生きる―IBMとの半世紀 私の履歴書
椎名 武雄

by G-Tools
posted by Dragon at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/1345907

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。